先日、ただいま兵庫県立美術館で開催されている「ゴッホ展」へ行ってきました!

 

兵庫県立美術館へは今まで、『ガウディ×井上雄彦展』『ジブリ大博覧会』を見に行きましたが、
海辺の綺麗な建物で、建築自体がアート。有名な建築家の安藤忠雄さんのデザインです。

 

夕方遅めの時間だったので、そこまで混雑することなくするする〜っと見て回れました!
音声ガイドも好きなのですが、今回はあまり時間が無かったため利用せず。

 

音声ガイドを借りるべし

 

美術館へ初めて行かれる方、音声ガイドとってもオススメです!
入り口付近で500〜1000円程度で借りられるのですが、
ゴツめの電卓みたいな数字のボタンの付いた機械にイヤホンが繋がっていて、
作品の横にある番号を入力すると、
キャプションには無い説明やストーリーを音声で教えてくれます。

作品に臨場感たっぷりのBGMを付けてくれますし、
ゴッホ展ではゴッホの弟テオがセリフを話しているような”ドラマ風ガイド”も収録されていたようです!
大きな展覧会だと有名人の方がガイドをされていて、今回のゴッホ展では女優の杉咲花さんでした。

 

ゴッホ10年の画家人生

 

ゴッホ展ではゴッホが画家を志した27歳当時からの習作も展示されていました。
「ゴッホ、がんばったんやな…」と思える初期の拙い作品たち。

画家仲間に、君の絵は動きがない静止画のようだ、みたいなことを言われて、
必ず見返してやる!と誓ったゴッホ。
確かに、その頃の絵にはまだぎこちないポーズの農民たちが描かれています。

ゴッホは37歳でその短い生涯を、自らの手で終えてしまうのですが、
画家としての人生は27歳からの10年間のみ。
そしてなんと、生きている間に売れた絵はたったの1枚だけ!
切ないゴッホ…というか生活費はどうしていたの?

 

そこで登場するのが弟のテオ。
身体が弱く、ゴッホの死の半年後に病死してしまうのですが、
生前画商として働いていた彼が、生涯ゴッホの生活を金銭的に援助していました。
兄の才能を信じ、絵を売ろうとしていたのです。なんていい奴。

 

今回の展示はあちらこちらにゴッホと弟テオの手紙のやり取りの内容が書かれています。
ゴッホは弟に、作品について思うことや恋人への想いなど、なんでも話していたようです。
仲良しですね。
こんな風に作家の人となりを感じられるのも、展覧会の魅力のひとつです。

 

 

駆け出しゴッホは全然鮮やかじゃない

 

それにしても暗いな、、というのが第一部のエリアの印象。
ゴッホはオランダで生まれたのですが、その頃のオランダは
農民たちが貧しい生活を強いられていた時代らしく、
彼はそんな苦境の中で生きる人々を描こうとしていたそう。

暗い。色も暗いし、テーマも暗い。
有名な『ひまわり』や『星月夜』みたいな、鮮やかな色の世界はどこに…?
ここから作風がどんな風に変化していくのか。一体ゴッホに何があったんでしょう。

 

作品横のキャプションには使用された画材も書いてあります。
木炭というのが頻繁に登場しますが、その名の通り木の炭です。
持ち手部分にはアルミが巻かれていて、消しゴムには食パンを使います。
THE美大生!ってイメージですね!
私は使ったことがないのですが、CICAスタッフに訊いたところ、
とっても軽くて軟らかくて、チョークやコンテみたいにぼかしたり、
しっかりした線を描くこともできて、自在に表現できる面白ツールのようです。

 

 

ゴッホ展だけどゴッホ以外の作品も見られます

 

オランダ時代に、ゴッホは周りの画家たちから色々教わったり影響を受けたり(ざっくり!)します。
本展覧会ではゴッホに影響を与えた人たちの作品も多数飾られています。
何気に額縁も見所です。装飾的で、ゴツくって重そうで、名前も彫ってある。
そんな額縁に囲まれた油絵作品が大きいものから小さいものまで。

 

それにしても、油絵って不思議。
近くで見ると絵の具を雑にのせているようで、少し離れて見ると、
ちゃんと「そのもの」に見える。
しっかり緻密に描き込まれた絵よりも、「空気感」が伝わってくるような気がします。

 

昔受験の為にデッサンを学んでいたとき、先生に
「全部をきっちり描きすぎだ」と注意されたことがあるのですが、
この展示ではその意味がよくわかります。
画面の端のほうなんて、ほとんど描かれていないんです。
ざざざっと絵の具をのせただけ、みたいに見える。

 

それなのに、しっかりと描き込まれた印象。
大事なところがきちんと描かれているからですね。
そうすることで、見て欲しい部分に視線が誘導される仕組み。深い。

 

エリア後半にはゴッホの油絵も出てきます。
女性の頭部を描いた作品や、果物などの静物画に、鳥の巣を描いたものなど。
年配の女性の哀愁漂う表情が印象的でした。
ゴッホはある出来事をきっかけに、村の女性にモデルをしてもらえなくなってしまった為、
静物画ばかり描いていた、とありました。
「ある出来事」が気になった方は、ゴッホについてもっと調べてみてください。
波乱万丈人生、面白いですよ!

 

さてさて、長くなりましたので、続きは後編で。
後編では展覧会でいう第二部、仕切られたもうひとつのエリアへ。
ご興味持って頂けましたら是非!続きもどうぞ*

 

 

NaNaMi