皆さまこんにちは!アイです。
私事ですが、この度7月末でcicaを卒業させて頂きました。
しかーし!ななみ店長の「ブログは続けたらええやーん」の言葉に甘え、
引き続きこの場所で映画について書かせて頂く運びとなりました!
普段、全く読書をしない私が情熱のみでお届けしますこのブログ。
毎月1日更新です。何卒よろしくお願い致します(..)

 

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ではいきましょう。今回のタイトルは、
「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」
2001年公開です。
言わずと知れたしんちゃんの最高傑作ですが、今回も内容をサクッと。


しんちゃんの住む春日部に”20世紀博”というテーマパークが開園します。
その名の通り20世紀を懐かしむおもちゃやキャラクターがあふれるとても楽しそうなテーマパークです。

 

しかし、本当のターゲットは子どもではなく大人。

 

裏で動くのは”イエスタデイ ワンスモア”と名乗る、未来に絶望したケンとチャコという男女。
ゴミであふれた街、他人行儀な人々、無駄なものが多すぎる現代に嫌気がさした彼らは、
昔の人情ある町を取り戻すために、20世紀逆戻り計画を企て、世間を支配しようとしていました。
昔の懐かしい”におい”で大人たちを夢中にさせ、おびき寄せます。
まさに”おとなホイホイ”
野原家も漏れなくホイホイされ、頻繁に20世紀博を訪れるようになります。

 

そして日常は壊れます。
ある日から突然、ひろしは会社へ行かなくなり、みさえは家事をせず、
外に出れば沢山の大人が子どものように走り回って遊んでいます。
このシーンは結構狂気です。大好きなシーンです。笑
一言で言うと、めちゃ不気味。

 

度が過ぎた異常さに焦りはじめたしんちゃんたち(春日部防衛隊)は、
大人たちを正気に戻すため、計画を阻止するため、そして未来を守るために奮闘する!
といった物語です。

 

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この映画のポイントは、物語の中でそうであるように、映画自体のターゲットも子どもではなく大人だということ。
風間くんのセリフ「懐かしいってそんなに良いものなのかなぁ」が全てです。
クレヨンしんちゃんなのに、完全に子どもを置き去りにしてる。
勝負に出たなぁといった感じです。笑

 

5才の子どもたちは、当然”懐かしい”はまだ未体験。
その”知らない感覚”に夢中になっていく大人を怖がります。
そりゃそうです。

 


そして忘れてはいけないのが20世紀逆戻り計画の主犯、イエスタデイワンスモア。
ケンとチャコは共に暮らし、哀愁漂う落ち着いたカップルなのですが、
時々の行動やセリフにとても幼稚で乱暴な一面が垣間見えます。
20世紀に”これから”を奪われる子ども達と、
21世紀に”今まで”を奪われる彼らの情緒はどこかよく似ていて、
要するにケンとチャコも心はまだ子どもなのです。

 


観ていると何度も、”大人になるってどういうことだ!?”
と野暮なことを真剣に考えてしまいますが、この映画のもうひとつの大切なポイントは、
“大人になることを決して悲観していないこと。”

 

同じような毎日でつまらない。。
たまには全てを投げ出してどっか行きたい。。
みんな考えることがあると思います。
私も考えます。毎日思ってます。笑

 

でも疑問を抱えながら毎日を過ごす、それが大人。
疲れて帰っても、靴下のくさーい匂いで大爆笑出来る家族がいる、
困ってる人がそばに居たら、知恵を使って助けることが出来る、
大人になってこそ、人間の生活の中で大切な人をちゃんと守ることが出来る。

 

うん、とっても大人。笑

 

見終わったあと、なんだ大人も悪くねぇな。と思わせてくれるとても素敵な映画です(^^)

ほなねっ!

 

chocolate art by サトウケイ