みなさんこんにちは!アイです。
今回のタイトルはアメリカで大ヒットした作品から「チョコレートドーナツ」


今年12月には東山紀之さん主演、宮本亜門さん演出で舞台化も決定しました。
映画の日本公開は2014年、時代背景は1979年。
ゲイカップルのルディとポール、そしてダウン症の少年マルコのお話です。

 

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ルディはシンガーを夢見ながらゲイバーで日銭を稼ぐドラァグクイーン。
ショーでは仕方なく口パクで歌っています。
そして感情表現が豊かで、いつもありのままでいることを望んでいます。
相手が誰であろうと自分が正しいと思うことを主張し、いつも恐れる素振りを見せません。

 

逆にポールはとても常識的で穏やか。
一度は女性と結婚しましたが離婚し、自分がゲイであることを自覚しながらも周囲には隠して生活しています。
“世界を変えたい”と法律を勉強し検察官となった、とても仕事熱心ないい男です。
ルディとポールはゲイバーで出会い、すぐにお互い好意を持ちます。

 

そしてふたりにとってもう一人の運命の人、14歳の少年マルコ。
彼はもともとルディと同じアパートの隣の部屋に母親と住んでおり、
明らかに育児放棄をされている少年をルディは気にかけていました。
そして不安は的中し、母親は薬物所持で逮捕。
このままでは施設送りにされてしまうと危惧したルディは、法律のプロであるポールに助言を求めるため、マルコを連れて彼の職場を訪れます。

 

ルディの性分ゆえ、少々ファンキーな登場にポールは動揺し、咄嗟に”お金が必要か?”と聞いてしまいます。
“金をやるからもう来るな”と解釈したルディは”恥を知りなさい”と一言残して去ります。
このシーンのポールの顔、めっちゃ良いです。笑
豆鉄砲を食らったような「え?」という表情。
おそらくこの時、ルディによってポールの中の常識が破壊され、圧倒的なインパクトを残したんだと思います。

 

後日、ポールはルディに謝るため再びバーへ出向き、晴れて二人は仲直り。
帰りの車の中から、夜の街を徘徊するマルコを発見し、保護します。
マルコを家族として迎え入れたいルディの思いを察したポールは、
合法的に、かつ審議で不利にならないために、
ふたりの関係をカップルではなくいとこ同士だと偽り、実の母親から親権を委託してもらいます。

 

 

そして3人での生活がはじまります。
普通じゃない家族の誕生です。
共に過ごし、絆を深めます。
マルコは学校へ通い、勉強をし、3人で海に行き、誕生日を祝う。
とても愛ある毎日です。
マルコだけはなく、ルディもポールもどこか孤独だった心の隙間を埋めていきます。

 

しかし一年が過ぎたころ、いとこ同士だと関係を偽ったことが仇となりマルコはまた施設に送られてしまいます。
ふたりはマルコを取り戻そうと控訴します。

 

ここからがこの映画の本番です。
冒頭で、ルディの性格について”恐れを知らない”と書きましたが、
マルコという守りたい存在が人生に現れ、どんな時も強気だったルディが時折不安そうな表情を見せはじめます。
今まで失うものなどなかったルディの人生にとって、マルコは唯一無二の存在になっていたのです。

 

そしてポールはゲイであることを職場にバラされ、解雇されてしまい窮地に立たされます。
ゲイだから解雇。それ以外の理由はありません。悲しすぎる仕打ちです。
もう2人だけの力では太刀打ち出来なくなり、ロニーという黒人弁護士に依頼します。

 

起訴内容を聞いたロニーは最初こそ断りますが、ふたりのマルコへの想い、ゲイへの偏見、理不尽な判決に心を動かされ承諾します。
おそらく黒人である彼も、今の地位を確立するまでに偏見や理不尽さに苛まれて他人事とは思えなかったのだと思います。

 

審議の日、ルディの元同僚やマルコが通う学校の先生などから、2人に有利な証言を獲得しますが、また問題が勃発。
突然マルコの実の母親が法廷に現れ、親権を返せと言い出すのです。

 

本当の母親に出てこられては、勝ち目はありません。
ふたりの人生から、マルコが消えます。

 

時が経ち、ポールは当時の裁判関係者に手紙を送ります。
残酷な真実を綴った手紙です。

 

ルディはシンガーになる夢を叶え、ステージで歌っています。
今度は口パクではありません。
心の底からマルコを想い、自分の声で歌います。

 

 

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この映画、ストーリー自体は分かりやすくて話の展開も早く、大好きなんですがなんせテーマが重い。

 

だってこの物語から、マイノリティな要素を排除して考えたとしても、テーマは割と重いまま。
普通の夫婦が、育児放棄された健常児を養子に迎え愛を育んでいく、というストーリーでも映画になりそうですよね?
実話を元にしている作品とはいえ、チョコレート味のドーナツに更にチョコレートをぶっかけたチョコレートドーナツのごとく重い!濃い!
それゆえ、咀嚼するのに時間がかかりました。
約90分と短い映画ですが、強烈なインパクトを残すと思います。
“普通とはなんなのか”をとことん考えさせられる作品です。

 

この手の映画を語る時、”昔だったから偏見が多かった”という意見がよくありますが、
私は今を生きていて、当時と今で劇的に何かが変わったとは思えません。
日本はまだ同性同士の結婚すら認められていませんから。
“人を愛することに性別は関係ない”とはっきり言い切れ、それを実現できる時代はいつ来るのでしょうか。
この物語はまだ終わってないんだと思います。

 


あ!少し暗くなってしまいましたので、私のお気に入りのシーンを紹介して終わります!
ルディとポールが仲直りした後、ふたりはお酒を飲みながら自身の生い立ちについて話します。
話を聞きたがるポールに対して、ルディは歌で応えます。
このシーンの圧倒的なパフォーマンスは、シンガーとしてのルディ・ドナテロ誕生の瞬間!必見です!

 


ほなねっ!