お世話になっております。アイです。
年が明けてから第文経ちますが、
みなさん素敵なクリスマスを過ごせましたか?

 

今回のタイトルは、、

「素晴らしき哉、人生」(1946年)

人生の全てが詰まった映画です。

 

あまりにも有名すぎる映画なので、ストーリー紹介はササっと終わらせて、
作品に対する愛に重きを置いて話します。笑

 


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主人公はジョージ・ベイリー。

 

ベドフォード・フォールズという小さな田舎町に住みながら、世界旅行を夢見る青年です。

 

とにかく真面目で世のため人のために生きている男。
子どもの頃、真冬の湖で溺れた弟を命がけで救出し、自分は左耳の聴力を失ったり、
アルバイト先の薬屋で、ラベルを見誤り毒薬をお客に処方しようとしたオーナーをかばったり、、

 

とにかくトップクラスの善人ですが、本人は結構欲望のままに生きているすごい奴。
根暗、根明ならぬ、言うなれば、根善。
いいことをしてる時も”俺今、良いことしてるわぁ”感のない男です。

 

夢と野心に溢れた日々を過ごし、
子どもの頃から自分を好いてくれている美女メアリーと結婚し、
街中から祝福されながら4人の可愛い子どもたちにも恵まれます。
決して裕福ではないですが、これから最高の人生が待っているはずでした。

 

 

しかしそんな人気者のジョージですが、小さな住宅金融会社を営む父の死を皮切りに、
次々と不幸が重なり絶望の淵に立たされます。
“もう死んだ方がマシだ”と真冬の川に身投げしようとしますが、
ジョージより先に、知らないおじさんが川に飛び込みます。

 

彼の正体は天使。名はクラレンス。

 

天使になって約200年ですが、まだ翼のない要領悪めの二級天使。笑
天空のえらい人に、”翼ないのん恥ずかしいやろ?ジョージを助けて、
自殺を考え直させたら翼あげる!”という約束のもと、
下界に降り立ったおじさん守護天使でした。

 

“僕なんか居ない方がマシだ”というジョージにクラレンスは
“ジョージが生まれなかった世界”を体験させます。

 

街に戻っても、誰もジョージのことは知りません。

 

ジョージ・ベイリーという男は生まれてない世界ですから当然です。

 

馴染みのバーでは冷たくあしらわれ、友達に話しかけても白い目で見られます。
そして、弟のハリーは9歳ですでに溺死しており、
薬屋のオーナーであるガウワーさんは、そのまま毒薬をお客に処方し20年服役。
妻のメアリーは家庭を持つことはなく、地味で質素な生活を送っていました。
もちろん、4人の子どもたちも生まれていません。

 

それだけではなく、他にもジョージがこの街に住む人々にもたらした影響は計り知れなかったんですね。
そしてジョージ自身がそれに一番驚きます。

 

慌てて”元の世界へ戻してくれ!”と頼み、現実世界で全てを受け入れる覚悟をしたジョージ。
もう生きていることがたまらなく嬉しくて、家に帰って家族を抱きしめ、階段の手すりにまでキスをします。笑 

 

そしてクライマックス。
とってもベタなオチなんですが、何回見ても心から感動します。
果たして窮地に立たされていたジョージを救ってくれたのは誰なんでしょうか。

 

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こんな感じのあらすじで、アメリカでは知らない人はいないほどの名作です。

 

見るたびに、誰もが世界の片隅に生き、同時にそこは中心でもあるということを感じます。

 

そしてこの時代の映画は当然モノクロで、
今みたいなCGありきのド派手演出なんかもありませんので、
役者さんの演技に全てが掛かってます。
大袈裟な身振り手振りや、女優さんの華やかな笑顔、レトロな衣装、
そして小道具の電話やスーツケースなんかもヴィンテージでとにかくエモい。

 

どのシーンを切り取っても絵になる作品ですが、なかでもメアリーとジョージの掛け合いが本当に素敵です。
子どもの頃、左耳が聞こえないジョージの耳元でこっそり愛をささやくメアリー。
大人になって再会したパーティーでダンスを踊る2人。
屋敷の窓ガラスを割って2人で願い事をしたこと。

 

2人がスクリーンを彩るシーンはとてもポップで愛に溢れています。
1946年の映画ですが、私にとっては新作映画のようでした。
見たことのない方は、ぜひ一度は見てほしいです。
ストーリーのように、たくさんの人にこの映画のある人生を送ってほしいです。

 


最後に豆知識!
11月のハロウィン企画、クリーチャー映画紹介でもオススメした”グレムリン”の劇中で、ビリーのママがキッチンで見ている映画が実はこの”素晴らしき哉、人生”なんです☺️
こういうアハ体験、嬉しいですよね。笑
見つけるたびに、映画を作る人はみんなやっぱり映画が好きなんだなと感じます☺️

 

ほなねっ!

 

Chocolate art by イユダエマ