ギルティ、
ギルティ、、
ギルティ、、、
ギルティ、、、、
、、、ノットギルティ、、
っっ!!

 


お久しぶりですアイです!
今回のタイトルは

“12人の怒れる男”(1957年)

 

陪審制で無作為に選ばれた12人のおっさんたちが、
父親殺しの容疑がかかっている18歳の少年に判決を下すまでを描いた超傑作です。
もう、めちゃくちゃはちゃめちゃに面白い。

 

ではいきますよー!

 

* * *

 

事件は深夜のスラム街で起こりました。
少年は自宅のアパートで父親と口論になり、
数回殴られたあと”殺してやる”と叫び
父親の胸に飛び出しナイフを刺して殺害。

証言者、目撃者は二人。少年にアリバイはなし。

有罪になれば、少年は一級殺人で死刑が確定する、とても重い裁判です。
証言や証拠には不自然なことも確かにありますが、まぁ有罪が固いでしょう。
といった感じ。

 


さて、最初の投票では有罪11票、無罪1票。
決議が確定する条件は、12人全員の意見が一致すること。
この流れだと、有罪側の11人が無罪側の1人を言い負かす方が簡単そうですが案外そうでもなく、、、

ここから密室での長い話し合いが始まります。

 

タイトル通り、おっさんは全員で12人ですが、
特に重要なおっさんたちを陪審員番号と共に紹介しておきますね。

 

おっさん4
真面目で冷静。意地や感情ではなく理論で話すので
証拠が変わらない限り恐らく一番考えがブレないタイプ。
メガネ。

 

おっさん5
上品な感じだがスラム育ちで昔から喧嘩をよく見ていた。
そのため凶器である飛び出しナイフの構造、使い方に詳しく
証拠の覆しに一役買う。
台詞は少ないが人間味と誠実な感じがなんか良い。

 

おっさん8
最初の投票から無罪に入れた唯一の人物。
12人の中で最も熱心で、言葉だけではなく法を破ってまで実際に証拠集めなどの行動も起こしている。
どことなく弁護士に対して苛立っている。
その理由は不明。

 

おっさん9
最年長のおじいちゃん。
証言者である老人の深層心理をも捉えるほど、人の本質を見抜いている。
最初は有罪だが中間投票で一番最初に無罪に変える。視力は2.0。笑

 

おっさん10
短気で感情的になりやすい。
スラム街の人に対してドえらい偏見を持っているが、
彼自身も気に入らないことがあるとすぐに怒鳴り散らす。
最終決議まで有罪だと言い張る。

 

とまあ、こんな感じです。

 


少年の叫び声と物音を聞いたというアパートの階下に住む老人の証言。
外を通る電車の窓に殺人の瞬間が映っていたという近隣女性の証言。
凶器に使われた飛び出しナイフでの傷跡に不自然な点はないか、、
状況証拠を実際に検証し、ひとつずつ潰していきます。

 

劇中の台詞にもありますが、
有罪にするには証拠が必要ですが、無罪の場合の証拠はいらないらしいので、
この映画で重要なのは、少年は父親を殺したのか、
それとも、どちらか分からないか(無罪)、です。

 

おっさん8を筆頭に、どんどん話が進みます。
彼らの検証、もちろんすべて憶測にすぎないのですが、
最初はみんな面倒くさがっていた話し合いがどんどん熱くなり、
雑談から議論に変わる瞬間が見ものです。

 

中間投票を繰り返し、有罪か無罪か、増えたり、減ったり、、、。

 

 

さて、最終決議はどうなったんでしょうか。
まぁこの映画では有罪か無罪か、ということは重要じゃない気がしますので
書いてもいいかなとも思いますが、
どこに重きを置くかは人それぞれなので、
見て確かめてください☺️

 

日本ではオマージュ作品として三谷幸喜が”12人の優しい日本人”の舞台・映画の脚本を手掛けていますが、
こっちの作品では11人が無罪、1人が有罪という真逆でスタートします。
これもまためちゃくちゃはちゃめちゃに面白いです。

 

判決より、そこに辿り着くまでの過程が、陪審員たちの心変わりが、大人たちの激論が、とても面白いです。
そしてシーンのほとんどが狭い部屋の中、最初から最後まで密室で画変わりなし、そしてモノクロ。
にも関わらずまったく退屈しないのもすごいです。
よくできた映画だなぁすごいなぁと見る度に思います。

 

 

あ、最後に!
最後まで有罪だと意地を張り続けるおっさん10、、
どことなく彼もスラム育ちなのではないかなぁと思います。
まぁこれもあくまで憶測ですが。笑

 


ほなねっ!

 

Chocolate art by NaNaMi